うるるん

TBS『世界ウルルン滞在記』で、いとうあいこが中国の雲南省北西部・怒江(川)付近の空通(コントン)に住むヌー族の村を訪れていました。


この村は殆ど平地がなく、急斜面に囲まれており、怒江を跨いだ山間にある為、陸の孤島のようになっています。
私、この番組結構好きでして、かなりの割合で徳さん並みに泣きながら見ています。今回も、これだけ俗世と遮断された所に住む民族ですから、それはそれはピュアな人ばかりで、何度か目頭が熱くなりました。
が、ある人が回答席にいた為、涙を流すには至りませんで。その名は照英。


この民族はまだまだ読み書きが出来る人が少なく、祖父母世代だけでなく30代の息子・娘夫婦世代も、学校から帰ってきた子供達から字を習っています。
宿題を始める少女。日本なら、横に座る親=子供の勉強を見てあげる、という風景ですが、ここでは逆です。「これは何て読むの?」と問う母。ゆっくり「夏は忙しいです、って書いてあるの」と答える10歳に満たない少女は、家族の希望の星です。
そんな村ですから、小学校の先生は皆んなの憧れの的。この村出身の22歳の先生は、町の大学を出て、今は村で教師として働く傍ら、郵便配達の仕事もこなしています。村人からの信頼があり、読み書きが出来る先生は、週に一度、町の郵便局で村人全員の郵便物を預かってきます。そして皆んなに配り、字がわからない人には読んで聞かせてあげるのです。
これが「先生は週に一度、村人に代わって町に行きます、一体何をしに行くのでしょう」という形で出題され、皆んなは「入出金手続代行」や「郵便業務代行」と書く中、それまでのくだりがあったにも関わらず、照英だけ「歌手」と書いてしまいました。この民族の歴史を歌で語り継ぐ、というのです。ん?


また、人の家に招待されると(食事を)客の箸はすべて40センチ超の長いものが使用されていて「自分の席から離れた所に置いてある料理にも手が届く」という理由から、その様な長い箸が用いられているそうなのですが、実はもうひとつ理由があり、それがクエスチョンとなりました。
殆どの人は「余った料理を串刺しにし、留守番している家の人にお土産を持って帰る為」と書いていたのですが(これが正解)また照英だけ「ハエ」と書いてしまい、徳さんに「理解に苦しむ回答」と失笑された後、泉谷しげるに「どうしてそういう回答になっちゃうの」と突っ込まれていました。
箸に蜜を塗り、トリモチの要領でハエを取る、と考えた照英。それ便利だろうけど、土産に適してるかね?


いい人なんだろうが、どこのジャンルにも当てはまらない照英。
しゃべれば突拍子もないし、かと言って西村知美的天然要素も持ち合わせていないので誰からもいじってもらえないし、じゃあ「照英本人が村を訪れれば良かったか?」というと「きっと別れの際(もしかしたら滞在中もやたら)嗚咽するほど泣いたであろう」ということで周りがシラケるし、どうしたら良いのかわからない。
ビミョーなポジション、照英。最近、妙に気になる。